2024年5月8日

井上Vsネリ 天の配剤

井上尚弥 Vs ルイス・ネリ 東京ドーム決戦は、波乱の第1ラウンドを凌いだ後は、
地力に勝るチャンピオン井上の独り舞台で完膚なきまでにルイス・ネリを叩きのめした。
井上ファンは圧勝とみているが本音を言えば紙一重の差の勝利。判っているのはモンスターのみ。

至近距離で、見えない角度から飛んでくるネリ特有のスピードあるパンチ、
そして、それに続くが回転力とパワーに満ちた連続攻撃が彼の最大の武器。

だがネリにとっていつもと違うポイントが二つあった。それ勝敗を分けた。

今回の試合展開はまさにネリの思い描いていた通りのものだったのだろう。
第1ラウンドに、視界外からの左フックでもんどりうって倒れたモンスター。
ネリの心は小躍りしたに違いない。
望外の喜び、その興奮が、いつもと違って追撃のパンチに焦りとなって表れた。
あのモンスター井上をを倒したのだ無理もない。勝ちを意識して急ぎ過ぎたのだろう。それが一つ目のポイント。

もう一つのポイントは初めてダウンしたモンスターが、異様に思えるほど落ち着いていたこと。
倒れたままゆっくり8カウント迄数える彼の瞳には多少の驚きはあったものの、その瞳に微塵も不安や恐怖は宿ってなかった。

これら二つのポイントはネリにとって想定外の出来事だろう。一つは自ら招いたもの、もう一つはチャンピオンの精神力。
いつもなら雨あられと降り注ぐネリの二の矢が不発に終わった。つまりネリは絶好のチャンスを逃したのだ。


元々モンスターのディフェンス力は、攻撃力以上の超一流テクニシャンなのだ。
それでもなお、素人から見ても危ない時間は確かに在ったように見えたが・・・・。
結局ネリはそれ以上のダメージをチャンピオンに与えることができなかった。


何事もなかったかのように第1ラウンドをしのぎ切ったが、そこにはやはり天の配剤とでもいうべき幸運はあった。

そしてこの時点で事実上この試合の決着はついていた。

第2ラウンドでダメージが回復したとたんに、井上尚弥が得意の左フックでお返しのダウンを奪った。
その後はボディーブロウと顔面へのジャブ・ストレートが面白いように決まり、ネリの顔から徐々に生気が失われていく。

迎えた第6ラウンド、右ストレートを顔面に受けたネリは、力なくロープに頭を預けるように吹き飛ばされ即座にレフリーはTKO宣言。

終わってみれば楽勝だったが勝敗を分けたのは紙一重の差。
ネリが恐ろしい相手であったのは事実である。だがネリは唯一のチャンスものにできなかった。

さてモンスターはどうやって次の熱狂を呼び起こすのだろう。
あまりやってほしくないのだが『日本人対決』しかないのだろうか?


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