井上尚弥、価値ある勝利

WBSS(世界バンタム級統一戦)でノニト・ドネアを破って優勝。だが決して下馬評通りの圧勝ではなかった。
一歩間違えばドネア勝利という緊迫の場面の連続で非常にスリリングな好試合だった。

新旧の世代交代と言われていたが、井上とドネアはそのスタイルも資質も非常に似ているので、見事にかみ合った試合だったが、技術的な意味の世代交代ではなかった。

 

井上尚弥は強打を評価されてモンスターと呼ばれているが、その本質は攻守が高いバランスで取れていること。つまり強打と共に防御が超一流なのだが、今回は早い回にドネア得意の左フックを被弾し左目下から出血。
試合後ドネアが「ここまで私のパンチに耐えた相手はいなかった」といったのは、「あのパンチでKOできたはずなのに尚弥はタフだった」という意味だろう。
被弾するのも珍しくカットしたのは初めてという井上尚弥はほとんどが早い回のKO試合で、実はその耐久力が不明だったが、この世紀の一戦で攻守に加えてタフネスも超一流と証明された。真のモンスターが誕生した試合であった。

 

次の対戦相手は拓真を破ったウバーリかルイス・ネリか?
トップランク社とプロモーション契約を結んだらしいから今後はアメリカ中心の試合になるのだろう。
どちらも強敵だが今の直哉なら苦杯をなめることはあるまい。早々と片付けて階級を上げることになるだろう。

それにしても村田諒太といい井上尚弥と言い、今の日本ボクシング界はタレントが豊富だな。


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