中国という国は、たかだか７０年程度の歴史しかない時代錯誤の共産主義国家である。日本人は何よりこのことを明確に知らなければならない。習近平など中国の支配者層はそのデタラメさを承知していて後ろめたいのだろう。

そこで持ち出すのが『漢民族』なる根拠である。

中華の地で勃興した幾多の国家の中で漢民族が支配したといわれる国家の内、最後の明（１３６８年ー１６４４年）を中国の正統国家として、現在の中国を『漢民族の国家』と主張することで中華の地における『明』の正統な後継国家と主張しているのである。

しかし、彼らのこの主張のどこに論理的正統性・実証性があるのだ？
なぜ漢民族だけが正統な国家であるのか？唐、遼、金、元、清等は何だったのだ？
現在の中国人が漢民族だという証明はどこにある？元により滅亡したはずだが？
現中国のどこに明の後継国といえる根拠があるの？皇帝が共産国家元首になったのか？

現中国は漢民族国家ではない。戦乱・弾圧・貧困などによって純粋な漢民族など残っていない。
明の後継国家が現在の中華人民共和国？そんな歴史学者がいたら是非ご高説を伺いたい。
まあ中国人ならそのくらいの嘘は平気でつくだろうな。

正当な根拠が全くない彼らの最後の砦が『冊封体制』である。中華の地に栄えた帝国は冊封体制という制度を作り出し、周辺国家に臣下の礼を取らせ朝貢を求めた。

無智な習近平はこの「冊封体制にあった地は現中国の領土である」と主張しているが、もう云うことなすこと、ことごとく出鱈目で笑ってしまう。それでも当の習近平は大まじめに政策を進める。本当に皇帝にでもなるつもりらしい。

沖縄の尖閣諸島も「沖縄が冊封体制の中にあったから中国のものだ」というわけだ。アホらし！
そういえば半島の一国家が日本に朝貢していた時期があった。でも日本は早々に廃止した。なぜか？

冊封体制というのは支配関係ではない。実態はその真逆といってもいい。
朝貢を受けると、受けた側はその何倍ものお土産を持たせるのである。
冊封体制は、侵略・略奪を恐れた中華の帝国が、周辺国家に金品を与えて形だけの主従関係を結び、国家体制の維持を図った国防政策というのが真の姿である。

日本が半島からの朝貢を止めた理由がこれで、毎年来られたらたまったものではないのだ。

過去の冊封体制を持ち出して『領土主張』するなら周辺諸国はすべて中国。チベット・ウィグルは大戦後のどさくさに紛れて領土を奪うことに成功したが、ベトナムなど『懲らしめてやる」と軍隊を出したら見事に返り討ちにあった。
そこで今は経済援助をとっかかりに、金の力で実質支配を目論んでいる。
それにしても、朝貢していた半島国家を取り込もうとしないのはなぜでしょうね？

さて尖閣問題。
沖縄は１４４０年頃から島津の支配下にあった。当時の日本（足利幕府時代）は連邦国家みたいな状態だったので島津の支配下ということは日本の領土。
薩摩藩の領有の元で、中華の地との交易のために、冊封体制に入って朝貢していただけの事。『琉球国』を名乗り続けたのは鎖国下での密貿易のためではないかと推測している。

朝貢で判断するなら「西洋諸国までも中国領」になるという馬鹿話を信じるのか？

沖縄の帰属にまつわる、誤って伝わっているもう一つの問題が『琉球処分』。
これは、明治維新という日本の国家体制の大変換に伴いて行われた廃藩置県の一環。
元々日本である琉球国を日本が侵略したなどというのは、戦後の反日左派リベラリスト達の戯言。琉球処分は薩摩藩の内政問題と言っていいもの。

そうでなければ、大戦後に巻き起こった『あの激しい日本復帰運動』など理解できないだろう。

「沖縄は日本が中国から奪ったんでしょう？」――違います！

でも、何倍も土産物をくれるならいくらでも朝貢しますけど！