2025年5月7日

超ラッキー 井上尚弥

5月5日のカルデナス戦の井上尚弥は本当にラッキーとしか言いようがなかった。
戦前から誰もがカルデナスは弱い、井上の相手にならないと手厳しい評価。
オッズも井上が勝っても1.08倍、カルデナスが勝てば18倍と評価は低かった。

だが私はモンスター井上初黒星の可能性も十分にあると見ていた。
カルデナスのパワー、スピード、ディフェンス力は非常に高く、何よりメンタルがしっかりしている。
井上陣営が予定して居るアフマダリエフやニック・ボールとの試合は全く心配していないのだが、
カルデナス戦は最初から最後までハラハラしながら見ていた。
結果は8ラウンドTKO勝ちと予想通り井上勝利に落ち着いたが、中身は井上の超ラッキー。
あの試合は奇跡に救われた一戦だったことを誰も言わない。
判っているのは恐らく八重樫トレーナーだけだろう。

あの2ラウンドのカルデナスの一発と井上のダウンは残り時間15秒の時だった。
もし10秒早ければ勝敗は逆になっていたかも。
わずか10秒の差でカルデナスは勝利を逃したのかも。

井上がダウンから立ち上がってほぼ同時に2ラウンド終了のゴング。
あと10秒あればカルデナスは拳を交えることができたはず。
彼のスピードとコンビネーションなら最低1発はパンチを当てられたはず。
それが決定的な差を生んでいた。それほどカルデナスのパンチは強い。

ゴングに救われた第3R、井上は渾身の力でパンチを振るいカルデナスを怯ませた。
ここで怯んだカルデナスは千載一遇の好機を逃した。世界戦経験値の差が出たというしかない。

それからもカルデナスはギョッとさせるパンチを振るう。
その度にテレビの解説陣から「おお!」と驚きの声が上がる
だが回復した井上は悉くかわす。ここにも運が働いていたかもしれない。

それでもカルデナスのメンタルは崩れない。
攻め込まれた後に小休止の井上を逆に追い詰める場面も。
よくある逆転パターンで井上陣営も焦ったはず。
しかしここもまた井上の経験値に交わされる

「レフリーストップが早かった」というカルデナス陣営の意見は
あの反撃を見るとうなずけるのだが、
カルデナスが2度と世界戦を戦えなくなる可能性も十分あった。
そこはレフリーの判断に任せるしかない。

彼はいずれ井上尚弥がフェザーに移れば世界チャンピオンになるだろう。
彼はいまの時点で井上尚弥の最強の挑戦者だったことは間違いない。
両者にとって実に意味のあるいい試合だった。好漢カルデナス頑張れ!

 


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