2021年12月15日

さすがモンスター!しかし不安も・・・

 モンスター井上尚弥の久しぶりの試合はやはり圧倒的な力の差を見せつけた。しかしいくつか心配な点が垣間見えた。
井上のモンスターたるゆえんは攻撃力と共にその卓越した防御力にある。
今回の挑戦者デパイエほどのタフネスぶりをもってすれば攻撃力だけのチャンピオンであればKOどころか勝利すら危うかっただろう。それとタフネスだけ強調するのも間違いだろう。腕とグローブでガードする技術も素晴らしかったのだ。

 結局8ラウンドに後退する相手を素早く追いかけて強烈な連打で、交代する相手の動きもあって後方に弾き飛ばす派手なダウンを奪い、その後攻撃に入るとすぐにレフリーがストップをかけTKO。だが本心は、それまで驚異的なタフネスぶりを発揮してきたデパイエなら、まだやれるのではないか?という疑問が残った。だがそこは間近に見ているレフリーの判定、しかたない。だがデパイエは、モンスターに挑んできただけのことはある素晴らしいボクサーだった。

だからこそ試合後の井上のコメントが気になった。
「圧倒的な力の差を見せつけられなかった。期待してくれたファンに応えられずられず申し訳ない」
概ねこのようなことを言ったのだが、この言葉は対戦相手にも観客にも失礼である。

観客は見るべきところは見ているよ。
事実試合後挑戦者のタフネスぶりを讃える声が多かったと聞く。

ここに井上選手の驕りを感じ密かな不安を感じたのはわたしだけだろうか?

一足先に防衛戦をKO勝利で終えたドネアの相手も、これまた実にいい選手だった。
その選手をドネアは伝家の宝刀左フックではなく意表を突く左のボディーブローで倒した。
そして彼は試合前から試合後まできちんと相手をリスペクトする姿勢を崩さなかった。
彼はここに来てさらに力を挙げてきているように見えるのだが、それは間違いなく彼の謙虚さがもたらす努力のたまものに違いない。

試合直前に逃げ出したカシメロはもはや論外。

ドネアと井上尚弥で4団体統一の最終決着戦が待たれるが、井上尚弥選手にはいま一度原点に帰って対ドネア戦に備えて欲しいものです。


コメント(1)

  1. スポーツ爺さんより 

    次から次に素晴らしいボクサーが誕生して、素晴らしい試合が繰り返されていますが、
    残念な事に私はカシアス・クレイの「蜂のように舞い、蝶のように刺す」以来、
    同人物かも知れませんがモハメド・アリとアントニオ猪木の試合以来、
    プロボクシングというものに興味が無くなってしまいました。
    アマチュアボクシングの試合を見るのは大好きなのに。

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