2018年12月7日

貴ノ岩の引退劇に思う

 『日馬富士事件』で被害者だった貴ノ岩が、今度は自分が付き人に暴行を働き、今日7日引退を発表するらしい。

 この件を取り上げた報道番組でコメンテーターの意見が2分しているのが面白い。引退やむなしと云う人がいれば出場停止処分で充分という人もいるのだが、なんとなく「出場停止処分でいいのではないか」という意見の方が優勢のように見える。

 しかし、それならば日馬富士事件の時もそうすべきであったと思うのだが、擁護する人たちは「横綱という地位」とか「怪我の軽重」とか採るに足らぬ色々な条件を持ち出すのだろう。だが、何を言おうが日馬富士を引退に追い込んだ人たちに貴ノ岩を擁護する資格はない。

 

『日馬富士事件』こそ『相撲界』という特殊な世界の中の、さらに特殊な『出稼ぎモンゴル人会』という互助会的な組織の中で起きた事件で、相撲界も親方衆も大事に至らぬよう見守ってやるべき事件であり、マスコミも大きな騒ぎにならぬよう配慮するべき事件だった。

 そこに人格に問題のある貴乃花が関わっていたことで悲劇的な大事件にしてしまったが、最終的に『日馬富士の引退』にいたった原因は、正義を振りかざし・競って世論を誘導する『正しいマスコミ』の報道にあると思っている。

今、「貴ノ岩の引退届を相撲協会が受理した」というニュースが流れている。

 職を奪われ、名誉を剥奪され、人生を停滞させてしまったモンゴル人が二人。日本人が心痛めるべき悲劇である。
相撲協会が頑張らなければならない。だが、世論を煽って、相撲界を守る協会の手足を縛るマスコミがいる。人権を守るという看板を掲げながら結果的に人権を蹂躙する有識者がいる。

 この事件の出発点は、明らかに常軌を逸した『貴乃花』の未熟さにあった。(今となったら多くの人がそう認めるのではないか?)
相撲協会は当然それを抑えようとした。だがマスコミが日馬富士の人格攻撃までして世論を煽り、協会の動きを糾弾した。世論をおもんばかった協会の勧告で、結果的に日馬富士の引退で幕を引いた。

その流れの中で今回の事件では、貴ノ岩の引退を回避する道はない。

正義や人権を振りかざす人達ほど暴力的な人を私は知らない。


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