来週の日曜日に行なわれるミドル級世界タイトルマッチ、ゴロフキンVsカネロ戦にはもうあまり興味はない。それというのもカネロが繰り返してきた試合延期作戦に嫌気がさしたからだ。もし今度負けたり引き分けると、カネロはゴロフキンが白髪になるまででも待つかもしれない。

カネロが最初にミドル級ベルトを獲得した時には全世界が注目した。ついにゴロフキンとカネロの世紀の対戦が見られると喜んだ。だがカネロはミドル級ベルトを返上して対戦を避けた、いや逃げた。
２０１６年にはWBCが要請していたゴロフキンとの統一選をベルトを返上して逃げた。その前の試合でゴロフキンをリングに揚げて挑発までしておきながら逃げたのにはこちらが腰を抜かしそうになった。

すったもんだした挙句ゴロフキンは１５カ月も先の２０１７年９月まで待たされることになる。カネロは若い。まだ時間はある、つまりカネロ陣営はゴロフキンの盛（さかり）が過ぎるのを待っているのだ。

２０１７年９月漸く対決が実現したが判定は引き分け。何ともやりきれない。大方の見るところはゴロフキンの勝利というものだった。散々時間をかけても勝利を手に出来ず疑惑の判定とまで言われたカネロの心境は判らない。だがこの時点でもはや脅威はなくなった。散々もめて待たせた挙句疑惑判定の引き分けだ。

ゴロフキンの方が強かった！これで決まりだ。

この試合を見た日本初のミドル級世界チャンピオン村田諒太の「カネロもゴロフキンも特別な選手ではなかった」というコメントは確かなものであったと思う。もうこれでいい。

ところがまたカネロ側が挑発する。カネロはあっちこちで問題を起こし巨額の賠償金の支払い命令を受けている。金を手にするにはゴロフキン戦が最も稼げるからだ。

カネロ側は２０１８年５月にゴロフキンと対戦すると発表した。ところが３月にカネロが薬物疑惑で試合が不可能になる。この件は、試合を先延ばししたかったカネロ側が「故意に情報を流して処分を受けた」とまで言われている。彼にはそれ以前から薬物使用が疑われていたのだが処分は６カ月の資格停止処分。

そしてその結果カネロの望んだように半年先の９月１６日（日本時間）のゴロフキン戦となった。これほどのことをやってもなおカネロの人気は衰えずファイトマネーの分配金はカネロの方が多いというのだから驚く。

わたしは、３年近くも待たされたゴロフキンに何としても勝って欲しい。
だが、かりにカネロが勝ったとしても彼を勝者とは呼ばない。彼にその資格はない。素晴らしい才能を持ちながら

「薬物を使用し、試合を先延ばししてライバルの衰えを待つ」
そんな男を勝者と呼ぶ気は毛頭ない。