2016年9月26日

蜘蛛の糸

 日本で事業を興し、日本で稼いだ金を韓国に投資して巨大財閥にまで成り上がったロッテグループ。
何がどうしてこうなるのやらわからないが、韓国で創業者一族が軒並み捜査対象となり、その罪状が「働かずに金を受け取った」というものと聞いて開いた口が塞がらないでいる。

 まあ財閥などという形態が出来上がること自体が前近代的な社会なのだろう。そこでは創業者一族が関連企業の株を持って支配しているであろうことは容易に想像がつく。グループの会社全て株の持ち合い等で完全に支配できるだろう。


だがこの構造は韓国の他の財閥も同じはず。
何故ロッテだけが意味の分からない罪状で捜査対象になり、幹部の自殺にまで追い詰められるのか?


 この韓国の政府や司法のやり方は、いつ見ても理不尽でおどろおどろしい。
誰か縊死するまで国民を煽り、関係者が死ねばそのとたん急に同情論に変わる国民性は、他国ながら目をそむけたくなる冷酷さと残虐性をそのうちに垣間見てしまう。


 大統領が変わるたびに次の大統領が前の大統領の罪を暴きたて投獄するお国柄である。
些細なことで国民に火がつけば、火をつけた側が思いもよらぬほど燃え上がり、結局身内を貶めつつ自分の身をも焦がしながら世論に同調するしかない。これが韓国の政治・司法・検察・メディアのいつまでたっても変わらぬ自制の効かない姿である。

 ロッテの場合は「日本で成功した在日企業」という側面が、反日教育を受けて育った韓国人の抑えがたい嫌悪感の対象となって、憎しみの炎を煽っているのだろう。
本来讃えられるべきロッテ創業者の祖国への思いは見事なまでに裏切られた。一族にとって耐えがたい悲劇だろう。
この件は、創業者一族が皆殺しになった後、幾十年か経て半島の片隅に『韓国発展に寄与した功労者』として銅像が建つ。やがてそれもすぐ忘れ去られて全ては終わるだろう。

 韓国という国を見ると、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』を思い出す。
お釈迦さまが慈悲で垂らした蜘蛛の糸に群がった地獄の人々は、
上の人を罵り足下の人を蹴落とししながら蜘蛛の糸を登ってゆく。
だがついには、皆がただ我一人助からんという自らの罪で、
釈迦の慈悲の糸を断ち切り、再び地獄に堕ちてゆくのだ。



蜘蛛の糸は日本?いやそれだけは御免こうむりたい。
しかし、釈迦が日本で蜘蛛の糸はロッテグループ、それに群がる韓国人は自らのエゴで蜘蛛の糸を断ち切って地獄に落ちる、という解釈は私には心地よく腑に落ちるのである。


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