無念 村田諒太、彼こそ真のチャンプ!

ロンドン五輪金メダリストの村田諒太選手が満を持して挑戦したWBAミドル級タイトルマッチ。
序盤3回まではチャンピオン・エンダムの軽いパンチを受けたものの、4回見事な右クロスカウンターでダウンを奪いその後もロープがなければダウンしていただろうパンチを見舞い続けほぼ圧勝と云ってよい試合だった。

試合後一瞬会場全体が静まり返った。
勝者判定を受けたのは誰も予想しなかったチャンピオンのエンダム。これほど奇妙な判定は空前絶後ではないか?これがボクシングというなら、ボクシングはもはや格闘技という看板を掲げる資格はない。

ジャッジも人の子、人間が判定するのだから多少のブレは仕方がない。先入観も働くだろう。
パウンドフォーパウンドと呼ばれたローマン・ゴンサレスも、微妙な判定で勝ちを拾った前々回のクアドラス戦に続き、相手のバッティングで出血し血しぶきをあげながら戦い勝っていた(筆者はそう思う)前回のシーサケット戦でタイトルを失った。
このシーサケット戦はさすがに猛烈な批判が巻き起こりWBCは素早く再選指令を出した。だが、だからと云ってその試合の結果が覆るわけではない。


わたしは村田諒太選手はこの試合でふがいない負け方をすれば引退するだろうと感じていた。
彼は自分をよく知っている非常に賢明で誠実で真摯に生きてきた好青年である。間違いなく彼は自分の実力では世界のミドル級では通用しないと知っていたはずである。このクラスにはゴロフキンやアルバレスなど怪物のような強豪がひしめいているのだ。

しかし彼を知れば誰もが彼を応援したくなる。
1年の時間を経て、その彼に夢を託し鼓舞してきた日本のボクシング界の人達の熱い思いにこたえるべく彼は立ち上がった。

そして自分の到達できる最高地点で今回の世界戦を迎え、なおかつこれまでで最高の試合を見せた。
ボクシングに興味のある人間ならだれが見ても村田選手が圧勝した試合だった。

その試合で、思いがけぬ理不尽で無慈悲・無残な判定を受けてなお愚痴の一つも言わなかった村田選手の次の言葉がすべてを物語る。
「この試合に負けたからもう一回頑張ると言えるほど簡単な日々を歩いてきたつもりはない」
やはり彼はこの試合に全てをかけていたのだ。勝てば試合を続けるだろうが負ければ次はないと決めていたのだ。

不可解な判定でこの試合に敗れたとはいえ、彼は間違いなく頂点を極めたチャンピオンである。
日本が輩出した多くの世界チャンピオンに比べても、何らそん色のない無冠のチャンピオンとして、わたしの記憶にとどまるだろう。

 

いちボクシングファンとして彼に称賛の拍手を送りたい。
好漢・村田諒太ならばどの世界でも大成することだろう。
ボクシングは人生の一部でしかない。彼の今後の活躍を楽しみにしています。

(WBAは再選を提案。おそらく日本人の懐目当て、柳の下の二匹目のドジョウを狙った今回の疑惑判定。ボクシング界は金の亡者の集まりです。日本主導の公正な団体を作らない限りもう意味はない)

 


コメント(2)

  1. reporterより 

    井上尚弥君が世界ランク2位の挑戦者に圧勝。しかしこの挑戦者世界ランク2位には疑問。
    19戦16勝(5KO)3敗?これは『並』レベルの選手じゃないか?世界ランカーには見えない。
    井上尚弥が強すぎて挑戦者が見つからないという理由もあるのだろうけれど、それでもランキングを底上げしてまで無理やり挑戦者に仕立て上げてもまともな試合にはなりません。WBCも駄目ですね。

  2. reporterより 

    WBA会長が、不可解な判定を下したジャッジ二人に6カ月の謹慎処分を下し、再試合を指示したがそんなものに意味はない。
    本当に不可解と思うなら「前回の試合を無効試合にする。両陣営が負担した費用はすべて保留し、再戦に関わる費用はWBAが全額負担する」という条件のもとで再選を命ずるべきです。

    そうでなければ今回の八百長みたいな試合はWBAが仕組んだものと判断すべきです。

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