2021年6月4日

『デフレの正体』の正体

もう10年以上前になるが『デフレの正体』(藻谷浩介著)という本がでた。
「そうだったのか。目からうろこでした」と池上彰しが推奨しベストセラーになった。

専門家である税理士さんまで「デフレの理由が判った」と言うほど売れた本だが、専門家でない私には「デフレは人口減少が元凶」というこの主張を見てこの本はさっぱり理解できなかった。

決してこの本を買ってはいけない。
今ネットでこの本の書評を見るとボロクソである。『デフレの正体』の正体がはっきりと書いてある。
素人の私でさえ一瞥で胡散臭さに閉口した本が売れた理由が全く理解できないのだが、まあ胡散臭さでは誰にも負けない『池上彰』氏のお力ですかね?

 

なぜこんな昔話をしているかというと、今ベストセラーになっているある本ついて一言いいたいからである。

『人新世(ひとしんせい)の資本論』(斎藤浩平著)という本で、カバーの裏表紙にはこれでもかというほど衝撃の名著を『絶賛』する何人もの推奨文が積み上げられている。

正直に言う。私には難しすぎる。
今休み休み読んでいる。読み終わるのはいつになるか分らない。
読み終わっても理解できないだろう。

だが『デフレの正体』と同じくこの本も匂うのである。
今では『デフレの正体』は日銀の緊縮財政と増税を後押しするためのものだったと言われている。
しかし『人新世の資本論』はそのような『ためにする』本でないだろう。
わたしが感じる胡散臭さは、
「マルクス資本論には見落とされていた本意がある」という著者の立ち位置にある。
「今頃になって本意?」という後出しジャンケンみたいな胡散臭さを感じてしまうのだ。

しかしそれだけで読み終わってもない本を胡散臭いというのは失礼すぎる。

もしかすると、この本で池上彰氏の役割を演じ
「斎藤はピケティを超えた。これぞ真の21世紀の資本論である」
と推奨している佐藤優氏の影響かもしれない。

なんとか無事読み終えることができますように。

この本の著者が発掘したという『晩期マルクス思想』には『人間そのものに対する洞察』が含まれているのでしょうか?

 


コメント(1)

  1. 後期高齢爺さんより 

    私の若かりし頃のこと、生涯でたった一人の恩師が「相対性理論はとても面白いねぇ。本を買って読み始めたら面白くて面白くて・・・」と仰ったので、私も早速本を買いました。
    正直に言う。私には難しすぎる。読み終わっても理解できないだろう。
    人の頭には良く理解できる脳みそと、全く理解できない脳みそが有ることが理解出来ました。

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