2020年10月19日

ロマチェンコ陥落?23歳ロペス強し!

 ライト級4団体統一戦ロマチェンコVsロペス。予想は圧倒的にP4Pロマチェンコ。
だがロマチェンコはこれまでの試合相手と違って、ロペスの強打を非常に高く評価していたのだろう。1ラウンドからほぼ5ラウンドまで慎重すぎる姿勢を変えない。おそらくこれが判定に大きく影響したのだと思う。
 かといってロペスのパンチが当たっていたわけでもない。それでも時折強烈なボディーがロマチェンコを襲っていたのは事実だし、如何せんロマチェンコの手数が少なすぎる。印象的にここまでは5-0でロペスという判定があってもおかしくはない。

 6ラウンド以降はロマチェンコの手数が増えロペスの顔面をとらえ始めるが、これまでの試合と違うのは「相手にダメージを与えた」という印象が非常に乏しいという点にあった。それに加え数少ないが時折放つロペスのボディーブローの強烈さを審判団がどう評価したか、ここに判定の分岐点があったのだろう。

 印象的だったのは、後半ラウンドが終わってコーナーに戻ったロマチェンコの表情だ。肩で大きく息をしてこれまでの試合のような余裕は微塵も感じられなかった。懸念されていた「ボディーが弱いのではないか?」という見方が正しかったのかもしれない。

確かに6ラウンド以降はロマチェンコがポイントを挙げた。ロマチェンコが勝ったとしても判定は僅差だろうと思っていたら、
結果はテオフィモ・ロペスが3-0(116-112、119-109、117-111)の判定勝利。119-109?さすがにこれはまさかである。

 ロマチェンコ勝利を予測していたエキサイトマッチの解説者ジョー小泉氏・元WBC・Sバンタム級王者西岡利晃氏の驚きぶりは大変なもので、自分達にバイアスがかかっていたのかもしれないと言いながらも「この判定は物議をかもすだろう」という最終見解だった。

ただ、試合後のロペスとロマチェンコの態度は対照的。
勝利を確信して雄たけびを上げるロペスと敗戦を受け入れたロマチェンコとその陣営の静かな表情。
これが対戦した両選手の自己判定なのだろう。

 

ロペスの勝利はロマチェンコの予想を上回るスピードとパワーだった。これまでロープに詰められることなど一度もなかったロマチェンコが何度かロープ際に追い詰められ、得意のフットワークで逃れられずブロックするので精一杯という場面が何度かあった。

 

ロマチェンコは真に偉大なチャンピオンだった。
彼の登場は衝撃的なものだった。
しかしそれゆえにボクシングに進化をもたらした。
そして今、遂に彼を超える選手を生み出した。
『免れぬ歴史の必然』そういうことなのだろうと思う。

 

 


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