英国混迷 国民投票の是非
わざわざ国民投票を行って『EU離脱』を決めたイギリスで、15日夜、下院(定数650)が『EU離脱合意案』を審議。その結果、英領北アイルランド問題をめぐる不満を背景に、賛成202、反対432の大差で否決した。
この問題は北アイルランド問題という歴史的火種もあってわたし達にはよくわからない。北アイルランドが英国に入っていなければもっとすんなりと言ったのかもしれない。メイ首相はどうするんだろう?
『合意なき離脱』か『北アイルランドの処理でEUと再交渉』か『政権の解散総選挙又は退陣』か『離脱撤回』か?
驚くのは『2回目の国民投票』という選択肢もあるということですが、それをやると「何だよ其れ!」という声が巻き起こるのは必至。英国の威信は地に堕ちるだろうね。
日本でも最近、自分の意見が通らないと政治家が、『住民投票』『県民投票』『国民投票』などと戯言を吐くのが流行のようになっています
ですが、このイギリスの混迷を見ていると『国民投票』という手法は『選挙権』という制度がある限り民主主義とはなじまないものだと判ります。特に『県民投票』や『府民投票』などと云う限定された地域での投票は、選挙権を持った人間が移動できる以上絶対用いてはならない手法でしょう。
民主主義国家は、選挙で選ばれた議員の議会での決定という間接民主制度をとっていますが、地方議会ではこれがベストでしょう。
地方における『住民投票』は沖縄を見ればわかるように『反政府勢力』による政治テロになります。
ただ国政となると地方の利害が対立するので大都市が有利になりベストではありません。これは全個人が選挙権を持つ以上、数の論理がまかり通るからです。それの究極の姿が『国民投票』です。国民投票は「選挙権を持つ全員が等しく正しい判断ができる」ということが前提です。それ自体からして非現実的なものなのです。
直接民主制で国策選択をすると言う手はあります。現在のようにIT技術が発達すれば投票も簡単にでき選挙結果もすぐ判るので十分可能でしょう。ですが今回のイギリスのように「一旦国民投票で決定したものを再度国民投票で否決する」となると、条約などは維持できず国家と呼べなくなります。
現在の韓国がこの状態ですが韓国人は気が付いていません。
すでに韓国は国家の体を失っています。文は狂人でしょう。
『国民投票』を認めるなら、それを凌駕するもう一段階上の権威を用意しなければイギリス(や、イギリスにはまことに失礼ながら韓国)のようになります。『もう一段階上の権威』それに何が相応しいかこれを国民全員で考えなければなりません。
そのうち人工知能が人間に代わって政治をやるようになるかもしれませんが、現時点では国民一人一人が私利私欲を捨て、本当にふさわしい人を政治家に選ぶしか方法はなさそうです。
人間の心の中を読みとることができるようになれば、選ぶのは簡単ですが、そうなると誰も立候補しなくなるでしょうね。
大阪の松井府知事も同じく大阪都構想で「一旦府民投票で決定したものを再度府民投票で否決する」つもりでいますが、これでは民主主義も府民投票の意味がありません。
選挙に敗れた候補者がもう一回選挙やってくれと言っているようなものです。
ですよねー。最低でも「次は別の手」を考えてやるべき。
知事が変わるたびに住民投票やられちゃかなわんでしょ?