2018年12月31日

消費税と貴族制度

 日本は格差の少ない国と云われて久しい。士農工商と言われていた江戸時代にあっても、一番偉いはずの『武士階級』が一番下であるはずの『商人』から金を借りて四苦八苦していた。また長男が家を継ぐ武家では、次男坊三男坊が農民になるケースは珍しくなかった。
 『現人神』を戴く日ノ本の国の民はみな臣民であり、身分はあってもそれが『固定化された特権階級』というわけではなかった。

 明治維新で、植民地政策をとる西洋列強に伍するため、全力を挙げて西洋文明を取り入れた。自然科学と軍備そして政治・経済を導入したものの、『人文社会』の分野では日本は当時から西洋社会をしのいでいたと思われる。
 苦もなく『議会制民主主義体制』を定着させ、他国の追随を許さぬ団結と規律で精強極まりない『軍隊』を作り上げ、またたくまに列強に追いついた。
これらすべて、日本社会に差別や上下関係が希薄で、国民の間に搾取や憎悪が少なかったおかげであろう。

 

 だが今その日本社会が大きくゆがみ始めてる。
 過去、消費税を上げるたびに消費が落ち込み税収は減った。それがわかっていながら来年10月に消費税を上げるという。アベノミクスで過去最高の税収を得たのになぜ消費税を上げる必要があるのか?
「消費税は社会保障費に充てる」などと言いながら、社会保険料は国民に相談もなくどんどん引き上げられている。
消費税UPで景気は冷え込み給料は上がらず、結果的に国民の負担感のみ大きくなる

政府はそれを承知しているのだろう、2兆円の国税を継ぎ込んで、愚にもつかぬ緩和策を次々打ち出しているが、当然のように「それなら消費税を上げる必要ないじゃないか」と国民は騒ぎ始めた。

心ある経済学者はしびれを切らして
「消費税を据え置いて緩和策だけ実施しろ!」
とありがたいことを言ってくれる。
いや実はこれが最良の景気浮揚策なのは
江戸の昔から常に証明されているのだ。

 

消費増税
なぜこんな愚かな政策を、一体誰が繰り返すのか?
景気に関係なく給与を貰える官僚のせいである。
特に税収で他の省庁を縛れる財務省のせいである。

 

 国家と国民のことを考えない財務官僚は亡国の徒である。だがそれは財務官僚に止まらない。今や国家公務員のみならず地方公務員も、こぞって面倒な仕事を民間に押し付ける委託制度を創り、そこで訳の分からぬ団体が『浜の真砂』の如く生まれ、そこに国税が湯水のごとく流れ込む。それらの団体は、同時に公務員の天下り先であり、そこで働くのは景気など気にしなくてもよい公務員もどきの社員である。

 面倒な仕事を外部委託して暇になった公務員は、次々新たな委託先を創ることで仕事をしているように見せかける。結婚相談所まがいの事業や職業あっせんなど、民間がやっていれば税金を払ってもらえる事業に手を出し、仕事を奪い・税金をつぎ込んで、効率の悪い仕事を創り出す。世間受けのいい社会福祉事業を、制度設計も不十分なまま作って、効果も検証しないままに膨大な税をつぎ込む。

このような無駄が、殆どの国民に知らされぬまま増え続ける。
それらを統合廃止することなどないに等しい。
これでは税金などいくらあっても足らなくなる。
ツケは国民に回される。その筆頭が消費税だろう。

 

 これを明確に意識してはいないと思うが、本能的にわかるのだろう、若者は『レミングの行進』の如く公務員を目指す。
そりゃあそうだ。民間で汗水たらして働き、客や上司に叱られながら会社の業績に一喜一憂するよりも、何かあれば皆で失敗を覆い隠すのでクビにもならず、全員が有休を使い切っても倒産の心配もない公務員は天国である。新卒で銀行員になった若者が、すぐやめて公務員になった例をここ最近頻繁に聞く。目端の利く者にとって「公務員を目指さないのはバカ」に見えるのだろう。

勘違いしないでほしい。散々公務員の悪口を言ってきたが『現業』は別である。
学校の先生・警察官・消防員・自衛隊員・水産庁・水道局・公立病院・保健師などは市民生活を支える重要な職で絶対に必要なものである。

だが非現業の公務員には大ナタを振るわなければならない!

 

 そうしなければ、この国がギリシャのようになってしまうのではないか?
ギリシャでは国民の4人に1人が公務員らしい。そうなると何が起きるか?『年金カット反対』・『給与カット反対』などと、公務員の利権を守るためのデモが繰り返されて国政はマヒする。財政赤字を解消しようにももはや打つ手はない。何をしても借金が増えるばかり。国家破産である。

 日本はギリシャを笑えない。若者は既に感じ取っている。日本はすでに格差社会であり、公務員は格差社会におけるピラミッドの頂点にあると。公務員は身分制度であり『特権階級の貴族』なのだ。
 だから公務員になれなかった若者は、抑圧された閉塞感に打ちひしがれ、希望も持てず結婚もできない。それにより日本は、人口減少という負のサイクルにはまってしまた。

その日本にとって、
消費税増税など『弱者へのムチ』であり、百害あって一利なしである。

 

提案したい。
これから、現業の公務員が年齢に応じて非現業職に回るようにする。
非現業職は特殊な技能・能力を持つものに限定して採用すればいい。
財務省官僚は、採用試験に『民間企業15年の勤務経験』を課そう。
そうすれば多少は国民の痛みが判るようになるだろう。

安倍総理、ぜひお願いしたい!

 

あと12時間もすれば今年も終わる。1年間ありがとうございました。
よいお年をお迎えください。

 

 

 

 


コメント(1)

  1. reporterより 

    えーreporterとしては、『何かの機会をとらえて麻生財務大臣が『消費税凍結』を発表し、大臣を辞任する』ことに5000円くらい賭けてもいいかな?

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