守秘義務
公務員と話していると、めったやたらと「守秘義務」を持ち出して「それは教えられない」とノタマウ。
生前、定年を迎え昔の教え子に引っ張り出された恩師に、昔の生徒の一人が「わしの親父は死んだら従〇位の位階をもろたんやけど先生も何ぞ貰うんかな」と、恩師の威厳を疑うようなことをいう。
気心の知れた恩師は「わしは従五位だな」とノタマウ。
恩師のノタマウは威厳があって、その辺の公務員のあたふたとノタマウのとは大違いなのである。
その恩師も今年みまかられたのだが、ふとその『従五位』が話題になった。
ネットで調べると『死亡日より30日以内に申請をしなければならない』とある。
これには少々焦った。「もうとっくに過ぎとるがな」「どないしょ」
その手の協会があったので聞いてみると「何していた方ですか?」「高校教師です」
「お名前は?」「〇〇〇〇です」「う~ん見当たりませんね」
「あの~システム自体知らないんですがどうすればいいんでしょう?」と聞くと、
「教師ならば教育委員会を通じて最後の在籍校から申請書が出されるようになっています」という答え。
「なんだ!それじゃ俺たちの出る幕はないじゃん」
「しかし、葬儀は内内でやったからその情報が伝わってないのとちゃうか?」
というわけで県の教育委員会にTELして
「あの~元校長の〇〇の受位申請はされているでしょうか?」
さてここから「守秘義務」との戦いになる。
教「何を知りたいんですか」 「え?いや申請がされているかどうか知りたいんですけど」
教「あなたはどんな関係?」 「え?昔の教え子ですが」
教「なんでそんなこと知りたいんですか?」 「え?そちらに聞けばわかるといわれたので」
教「・・・・ちょっと待ってください。・・・・お答えできません」 「え?何でですか」
教「守秘義務がありますから」 「え?だれの守秘義務ですか」
教「個人情報ですから」 「え、だれの個人情報に対する守秘義務ですか」
教「・・・ちょっと待ってください」 面倒な奴と思われたのか担当者が変わる。
教「何を知りたいんですか」 「〇〇先生の受位の申請が出ているかどうか知りたいだけですが」
教「なぜ知りたいんですか」 「内内で葬儀を済ませたので情報が伝わてないのではと・・・」
教「それは伝わっています」 「え、そうですか。では申請はされているんでしょうか?」
教「それは守秘義務がありますので」「申請されてるかどうか知りたいだけですが?」
教「・・・申請しています」 「申請はされているということは・・・不受理ですか?」
教「・・それは・・」 「不受理になった理由は?」
教「それらは守秘義務ですので」 「・・・そうですか。判りました。ありがとうございました」
とまあこんなやり取りでしたが、
何でもかんでも頭から「守秘義務」を盾に横柄な応対をしている公務員にあたると実に面倒である。
あなたの言う「守秘義務」が、本当に守るべき個人情報に対して必要なことかもう一度考えましょうね。公務員の皆さん。仕事のできない言い訳にしないでね。
恩師は受位を拒否されるような人物ではない。
家族が辞退して取り下げたのかもしれない。
不当な判断で申請が不受理になっていたのなら・・・さてどうしようかな。